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「ラ・セーヌ」1998年12月号記事抜粋 特集/極上気分の眺めのいい宿・絶景の湯 素朴なもてなしに心安らぐ宿

「ラ・セーヌ」1998年12月号の記事、写真共原本のままに使わさせていただきました。
これからも皆様にお喜び頂けますよう一生懸命頑張ります。 望水社員一同

極上気分の眺めのいい宿

 伊豆半島の東側を、温泉街をつなぐように走っている国道135号線。そこから脇道に入ったところにあるのが北川温泉です。熱海や稲取など、観光化された大きな温泉街が点在する中にあって、北川温泉は小さな漁港に旅館が3軒だけ。その中の一軒が「望水」です。  「昔から温泉自体は自噴していたのですが、現在の黒根岩風呂の辺りから海に注がれるばかりで、いたずらに海の水を温めていたそうです。40年ほど前に温泉宿ができるまでは、本当に素朴な漁村だったとか。いまでもその雰囲気はあまり変わりませんけど」  そんな少しひなびた静けさを求めて、訪れるのは年配の方が多いといいます。  旅館業はまったくの素人でスタートしたという女将の近藤玲子さん。当初は10部屋の小さな旅館で、従業員も近藤さん含めて10人ほど。85年に全館をリニューアルし、和の趣を残した現在の形になりました。  国道135号線に面した玄関からロビーに入ると、目に飛び込んでくるのは、どこまでも続く青い海。まるで海に浮かんでいるような錯覚に囚われます。吸い込まれるようにガラスに近づくと、そこが8階建ての最上階であることに気がつきます。道路の高低差を使い、自然の景観を存分に生かした造り。もちろんすべての部屋からも、この眺めを存分に楽しむことができます。特に日の出や夕日の時間帯は、海や空の色が青から紫へと染まり、なんとも言えない美しさ。  「この自然の景観をたっぷりと味わい、ごゆっくりしていただきたいんです。建物は近代的になりましたが、素朴なおもてなしの心は忘れずにいたいですね」

眺めのいい宿・絶景の湯
女将 近藤 玲子

「ゆっくりとくつろいでいただけたかど うか。それがいつも気にかかります」

眺めのいい宿・絶景の湯
部屋は全室海に向かって建てられており、温泉の出る檜風呂付き。
こちらは庭園に面した4階の部屋。食事は基本的には部屋でいただける。


「海以外は何もないところ。でも幸いなことに漁港が目と鼻の先なので、新鮮な伊豆の魚介をたっぷり味わってほしいんです」  その言葉どおり、伊勢えびや金目鯛、あわびにぶりと、次から次へと海の幸が食卓を彩ります。  あまりのおいしさにすっかりたいらげて家族風呂に向かうと、遠くに定置網を張った漁船の漁火。潮騒に耳を傾ければ、ゆっくりどこかへ運ばれていくような心地よさに満たされていきます。思わぬ長湯をして部屋に戻れば、よく冷えた氷水が用意されていました。  「ごゆっくりされましたか」。翌朝、近藤さんが声をかけてきました。何もないようで、何でもある。そんな静かな満ち足りた気分。見送りは、やはり青い海。

眺めのいい宿・絶景の湯
ラウンジに微かに漂うお香の香りや、
東洋風の飾り棚。
眺めのいい宿・絶景の湯

北川漁港は「望水」から歩いて1分 ぐらいのところ。
眺めのいい宿・絶景の湯

大謀網という定置 網漁で、冬場にはぶりや伊勢えび、 まんぼうなどが揚がる。 防波堤でのんびりと釣りをたれる人の姿も。。。


眺めのいい宿・絶景の湯
  あわび、かき、たらばがにと野菜が入った「海鮮朴葉焼き」。
ほんのり甘めのみその香ばしさが、魚のうま味をひきたてる。
車えびやたこ、いかなどを熱した石の上で焼いていただく「望水」ならではの逸品「海鮮石焼き」。
あつあつを頬ばれば、ぷりっと口の中ではじけるおいしさ。
眺めのいい宿・絶景の湯
眺めのいい宿・絶景の湯   伊勢えび、魚介類などが入ったオリジナルの「海鮮辛味鍋」。
ちょっとぴり辛のスープが絶品。

丸ごと1匹どーんと盛りつけられた金目鯛の煮付け。思わずごはんが欲しくなる味。
        
 
眺めのいい宿・絶景の湯