いつもより大分早起きをした玲子さん。  日の出を見がてらの早朝散歩を楽しむことにしました。
 眠気覚ましに入った北川温泉の名湯「黒根岩風呂」は、野趣あふれる波打ち際の露天風呂です。
 広大な海の力強さを、間近に感じられるこのお風呂は、一日のスタートに最高の場所。
 北川漁港では、定置網漁の活気に満ちた水揚げ風景を見物しました。


 プルルルル・・・まだ薄暗い早朝に、電話のベルが響きます。  昨夜頼んでおいた「日の出コール」です。
 早起きは三文の徳、日の出を見がてら、朝の海岸を散歩することにしました。

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チェックポイント


 「望水」では、前の晩に頼んでおくと、日の出が見られそうな天気の時だけ電話してくれる、「日の出コール」サービスが人気です。  海岸まで出かけるのが億劫な人は、ラウンジでゆっくり眺めるのもいいかもしれません。




 玄関を出て100メートルほど歩くと、フロントで教わった、北川名所の「黒根岩風呂」に到着。  早速入ってみることにしました。



 湯舟は岩で組まれ、シンプルな屋根だけが取り付けられた、ワイルドなお風呂です。
 岩に書かれた俳句?「アメリカを見ながら入る野天風呂」


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チェックポイント

 「黒根岩風呂」の朝の利用時間は6:30〜9:30。  早起きして入浴するのがおすすめです。  ちなみに、19:00〜21:00の女性専用時間を除くと混浴ですので、タオルを巻いて入っても大丈夫ですよ。




 波しぶきがかかりそうなほど、間近に海を見ながら、少し熱めのお湯につかると、眠気もすぐにさめてゆきます。
 潮の香りに包まれながら、どこまでも続く水平線を見つめていると、遠い彼方に、アメリカを見ているような気がしてくるのです。


 考えてみると、昨日から海ばかり眺めているんですよね。  昼間の海、夕暮れ時の海、夜の海、そして明け方の海・・・どれもそれぞれ違った魅力を持っています、 。

 すっかり夜も明けて、清々しい朝の空気が、湯上がりの素肌にひんやりとあたります。
 海岸沿いの遊歩道を歩くうちに、「北川築城石公園」と書かれた大きな石を見つけました。これらの石は、江戸城を築くために切り出されて、運ばれずに残った石なんだそうです。江戸時代からずっとここ北川に座っている石の数々・・・なんだか歴史を感じますよね。


 「望水」から歩いて2〜3分のところにある北川漁港です。  ここで定置網漁の水揚げを見学できると聞き、出かけてみることにしました。
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 北川では、朝と昼の1日2回、三艘の漁船が沖に仕掛けた定置網にかかる、ブリ・アジ・サバなどの近海魚を捕りに行く、定置網漁が行われているんだそうです。  それでいつでも新鮮な海の幸を味わえるわけなんですね。


 ポンポンポンポン・・・  漁船が一艘、海から戻ってくるのが見えました。
 船が港に近づくに連れて、カモメたちの鳴き声が騒がしくなってきます。  大漁の予感です。


 ザザァーッ!  大漁です!  大きな網で、箱の中にあけられていく魚・魚・魚!  地元の奥さんたちもバケツを持って集まってきました。 「うわぁーすごい迫力!」


 大きな箱の中をのぞいてみると、ピチピチ跳ねる魚がぎっしりです。   アジ・イサキ・タイなどがピカピカのうろこを光らせています。  この箱を、リフトで何度も仕分け場所まで運ぶのです。

 



 威勢のいいかけ声をあげながら、てきぱきと動く漁師さんたち。
 仕分け作業はすごいスピードで進められていきます。
 今日の水揚げ量を訪ねると、「ぼちぼちだな!」大きな声で答えてくれました。


 逆さまになってこっちを見ているこのお魚、「ウマヅラ」っていうんだそうです。  東京では「カワハギ」なのに・・・ウマヅラ、はちょっとかわいそうな気がしませんか?


 にっこりしてますが、実はおそるおそるしっぽを掴んでいるのです。  水揚げされた魚は、町の人たちだけでなく、宿泊客も買うことができるんだそうです。  丸ごとの魚をさばいたことのない私は、購入を断念。残念でした。