某月某日、東京の喧噪を離れ、伊豆北川温泉の和風旅館「望水」にやってきた玲子さん。  伊豆北川は、東伊豆町の海岸線に面していて、地図でみてみると、伊豆半島のちょうど真ん中くらいに位置しています。  愛車のジャガーから降りて、まずは深呼吸。「やっぱり空気がちがうわ。潮の香りもするみたい!」  今回は初めてのひとり旅。ゆったりのんびり過ごすつもりです。


 出迎えてくれたフロントさんにバッグと車のキーを預けて、館内へ案内してもらいます。


 しっとりと落ち着いたロビーを通ってフロントへ。お部屋の鍵を受け取りました。どんな旅になるんだろう・・・わくわくします。 「いらっしゃいませ。」 「お世話になります。」


 案内されたラウンジは、全面ガラス張りで、海の向こうには雄大な「伊豆大島」が横たわっています。陽の光をあびて、きらきら輝く波が本当にきれい!

Reiko's
チェックポイント

「望水」は海を見下ろす断崖に建てられているので、このラウンジがあるフロアーが、地上8階になるんだそうです。  なるほど、それでこんなに眺めがいいんですね。

 




 静かなBGMを聴きながら海を眺めていると、自然に心が安らいでいきます。こんなにゆっくり海をみるのはひさしぶりだな・・・  
  気分はすっかり休日モードです。


 景色にみとれていると、きれいなライトグリーンのウェルカムドリンクが運ばれてきました。


「甘酸っぱくておいしい!」でも、なんのジュース?野菜?くだもの? 正解は、東伊豆のキウイでつくったジュースでした。

 いよいよお部屋へ。案内された451号室は、広々とした和室です。フローリング生活をしていると、畳が恋しくなるんですよね。

 仲居さんが、抹茶と一緒に持ってきてくれたのは、春慶塗の器に入ったオリジナルのお菓子、自家製のきゃらわさびと山桃のチョコ。ドライブの疲れが吹き飛ぶおいしさです。
  続いて、カニとワカメのお煎餅が煎茶と一緒に出てきました。海の恵みがたっぷりのお煎餅は、パリパリっといくらでも食べられそうです。  午後3時をまわって、ちょうどおやつのほしい時間。こんなにいろいろなお菓子が楽しめるなんて、しあわせ!


 ひといきついて、浴衣に着替えることにしました。浴衣に帯、それから羽織・・・靴下のそばにあるからし色の袋には、「ソックスクリーニングサービス」と書いてあります。

Reiko's
チェックポイント

「ソックスクリーニングサービス」の袋に靴下を入れて出しておくと、次の日の朝までに洗濯しておいてくれるのです。うっかり替えの靴下を忘れたときにも安心なうれしいサービスですよね。





 浴衣に着替えたところで、お部屋の浴室をチェックしてみると、さわやかな香りの檜風呂です。
  洗面所にはなんと、小型のテレビが置かれていました。 これなら、髪を乾かす時間も退屈せずに過ごせます。



 お部屋の窓からも海と空の景色を満喫できます。一瞬一瞬その表情を変える雲や、波に映る光は、ずっと見ていてもちっとも飽きません。
  東京では絶対にみられない風景に、時のたつのも忘れてしまいそうです。


 今日の海は穏やかで、波の音も静かに聞こえてきます。ときおり、遠くに漁船のモーター音も響いています。カーテンを揺らす潮風はやさしくて、思わず笑顔になりました。
  「あぁ、やっぱり来てよかったな」